EVENT REPORT
特許庁産業財産権専門官によるオープンセミナー
デザイン戦略と知的財産 〜知財の基礎知識と特許庁の支援事業〜

開催日:2017年11月8日(水曜日)19:00〜21:00

■会場 Medic扇町 交流会室1
■主催 協業工房
■共催 クリエイティブネットワークセンター大阪 メビック扇町



回のオープンセミナーでは特許庁普及支援課 産業財産権専門官の高田龍弥さんにお越しいただき特許や意匠権など知的財産に関わる基礎的なお話と、それに関連した特許庁の活動の一部についてご紹介いただきました。
前半は高田さんのプレゼンテーションをお聞きして後半を協業工房代表の大倉清教さんとのドークセッションと言う予定だったのですが、熱意溢れるプレゼンテーションでトークセッションの時間がなくなってしまいましたが、数多くの事例を元に知的財産の法律上の考え方について多くを学ぶことができました。

事例として文具メーカーの消しゴム製品や清涼飲料水メーカーのボトルのデザインが取り上げられました。
例えばボトルの場合、全体のデザインを意匠として登録するのではなく、胴体の握る部分の独特の成形が本体の強度を保証するものであると同時に、その形状がその製品と他製品の外観が明らかに異なることを象徴する箇所であり、その部分を意匠登録することでモノマネを防止することができ、かつ市場での優位性を確保できることを紹介されると、意外に知っていることのようでも知らないことの1つのようで参加者の中には頷く人の姿も見られました。
つまり知的財産権をしっかりと獲得するためには全体のデザインではなく、獲得するためのデザインのどこのポイントに目を着けるのかが重要であるかということです。


「皆さん、著作権と意匠権の違い、お分かりですか?」

実は多くの人は著作権と意匠権の違いはなんとなくわかっているつもりでも、明確に説明するのは苦手なんじゃないでしょうか。
そういう曖昧な知識もこの際しっかりと確認しておく機会となりました。
意匠権や特許権、実用新案権、商標権は登録することによって発生する権利ですが、著作権は登録すること無く発生する権利です。
そういう意味では著作権のほうが手軽な権利のような権利のように思います。

しかし高田さん曰く、
「著作権での法廷での係争は証明することが難しく、戦いのために多額の費用が必要とされます」
とのこと。

確かにテレビや新聞などで時々取り上げられる音楽や映画などの著作権侵害の法廷闘争は期間もかかり有名な人の戦う姿を見ることも多いことから、非常に手間のかかるものであることが伺えます。

「一時非常に大きな話題になった東京オリンピックのエンブレムデザインも、そういう意味ではもし法廷闘争になったら判断の難しいところだったかもしれません。でもあれは東京オリンピックという国家プロジェクトでの一幕なので、あそこまでなってしまったんでしょうね。」


企業はともかく中小企業や規模の小さなデザイン事務所、新進気鋭なベンチャー企業などは知的財産権については十分な知識を持った人材がいるとは限りません。
いいアイデアが出ても、それを製品化する過程で、どのようにアイデアを具現化し、他社に真似されないようにその方策を取るのか。
常に悩みの部分であるはずです。
特許庁ではそういう人や企業を支援するためにサービス事業を実施しています。
高田さんには「特許庁の営業マン」という顔があるそうです。
あまり知られていない特許庁のサービスを紹介し、利用してもらい、海外企業に負けないように日本の産業を少しでもより活性化させるというのが、高田さんの役目だそうです。

今回は、
・特許情報プラットフォーム J-PlatPat
・知的総合支援窓口
・海外展開知財支援窓口
・海外出願補助金
・模造品対策支援
・海外知財訴訟費用保険
などをご紹介いただきました。

さにてんこ盛りの内容でした。